髪内部からのダメージ補修を可能とし、くたっと頼りない髪をハリコシのある強い髪へと近づけることができる酸熱トリートメント。
この絶大な効果と引き換えに、失敗のリスクを抱えていることを知っていますか?
失敗の可能性は、ごく一部の人だけという訳ではないんです。
誰でも失敗される可能性はあるし高い…!
髪をきれいにしたくて受けた酸熱トリートメントで、髪の状態が余計に悪くなったら本末転倒ですよね。
失敗された髪はきれいになるどころか、ぱさつく・ごわつく・ちりちり・硬くなるといった変化が起こります。
そんなん嫌や。
絶対失敗したくないし、失敗しない方法とか教えて〜!
もちろん!失敗の原因から回避する方法まで、全部解説します。
本記事では現役美容師の「橋口美月」が酸熱トリートメントで失敗するとどうなるのか、失敗を回避するポイントについて解説しました。
失敗されずに絶大な効果だけ得たい!失敗を回避するヒントが欲しい!という人はぜひ参考にしてください。
酸熱トリートメントに失敗ってあるの?
結論から言うと、酸熱トリートメントを失敗される可能性は誰にでもあります。酸熱トリートメントは、誰でも簡単に成功するほど単純なメニューではありません。
「トリートメントなのに失敗ってどういうこと?」と疑問に感じている人は、酸熱トリートメントと一般的なトリートメントを同じものだと解釈しているのかも。
トリートントと名称に付いているのでややこしいのですが、一般的なトリートメントと酸熱トリートメントはまったくの別メニューです。
今の髪より状態を良くするものという点は共通していますが、しくみ・特徴・行程・合う人は異なると思ってください。
トリートメント剤を重ねて髪を保湿するだけの一般的なトリートメントと違い、酸熱トリートメントは複雑で難易度の高い行程が必要。
ひとつひとつの難易度がかなり高いのにすべての行程をクリアしなくてはいけないため、知識や経験のある美容師でないとほぼ成功することはありません。
残念なことに、浅い知識で難易度の高い行程を強行してしまう美容師は多くいます。そのため失敗されるリスクがあるんです。
酸熱トリートメントの失敗の原因
酸熱トリートメントを失敗してしまう原因は3つあります。
美容師の技術不足
酸熱トリートメントの効果を正しく得るには、
- 髪質の見極め
- 酸のはたらき・効果・特性を理解する
- 適正な塗布量・放置時間・アイロンワーク
といった行程が必要となります。
「美容師なら誰でもできるんでしょ?」と思う人もいると思いますが、1つ1つの行程がかなり難易度が高めなため一部の人美容師しかできないのです。
さらに登場してからまだ10年も経っていない新しいメニューなので、この短期間で酸熱トリートメントの扱い方をマスターしている人はほんの一握りしかいません。
酸熱トリートメントを正しく扱うのは、のび太が秘密道具なしでジャイアンに勝つほど難しい!
美容師の中には浅い知識しかないのにも関わらず強行突破してしまう人もいるため、このような失敗が多発しています。
「酸熱トリートメントで髪が傷んでしまう」と誤解されるのも、知識不足の美容師に失敗してしまうから。
酸性に偏りすぎる
物質は14段階の指数で、酸性・中性・アルカリ性に分けられます。
小学生の頃、リトマス試験紙で調べたな〜!懐かしい。
髪は元々、弱酸性です。
髪が弱酸性のとき、髪表面のキューティクルは一番状態が整っているので髪自体もハリコシがあって健康的。
ところがアルカリの性質を持つカラー剤やパーマ剤の影響により髪がアルカリ性に偏ると、キューティクルが開き髪内部の水分が失われていくので、パサつきや質感を損ってしまいます。
酸熱トリートメントは酸性の性質を持っているのでアルカリに偏った髪に塗布すると、髪がアルカリ性→弱酸性に戻りキューティクルのコンディションが整うという仕組み。
傷んでマイナスになった分、酸熱トリートメントでプラスしてプラマイゼロになるイメージやな!
しかし元の髪以上に酸性に偏るとキューティクルが必要以上に閉じてしまい、髪が硬くなる・ごわつくといったまるで髪が傷んだかのような硬くゴワゴワした質感へと変化してしまいます。
過収斂(かしゅうれん)と呼ばれる弱酸性より酸性に寄ってしまう現象。
一度なってしまうと戻すのにも手間がかかるので絶対に避けなくてはいけません
アイロンワークの失敗
酸熱トリートメントは施術行程の中でストレートアイロンを使用するのですが、このときに失敗し仕上がりが台無しになることも…。
ちなみに酸熱トリートメントの行程は以下の通り。
酸熱トリートメントは塗って終わり…ではなく、最後に熱処理が必須なメニュー。
失敗の原因となるからといって、アイロンワークを除くことはできません。
※状況によってはアイロンの代わりにブローで仕上げることもあります。
どうして熱処理が必要なん?
縮毛矯正みたいにくせ毛を伸ばすわけでもあるまいし。
酸熱トリートメントの熱処理が必要な理由は、髪の中で化学反応を起こすため!
縮毛矯正とはアイロンをする理由がまったく違うんです。
熱処理を行うことで初めて髪内部で化学反応が起こり、イミン結合という髪を支える柱が新たに誕生します。
イミン結合は本来髪の弾力を担うシスチン結合の代理となり、髪にハリコシをもたらす重要な成分。
熱が加わらないと化学反応が起こらずイミン結合が誕生しないため、アイロン処理が必要なのです。
熱処理によって初めて酸熱トリートメントが効果を発揮するのですが、正しく行われなかったら結果も台無し…。
アイロンで髪を傷めてしまったたり、アイロンが不十分で髪の中で化学反応が起こらなさすぎると仕上がりはイマイチなものになってしまいます。
これまでの行程がしっかりできていても最後の最後で失敗につながるリスクもあるのが酸熱トリートメントの難しいところ。
酸熱トリートメントで失敗するとどうなる?
酸熱トリートメントをする上で、
- 美容師の知識不足
- 髪が弱酸性から酸性に偏りすぎる(過収斂)
- アイロンワークが不十分
- 髪質が酸熱トリートメントと相性が悪い
といったことが主に失敗の原因となります。
失敗された髪は、
- 毛先がパサつく
- 髪がゴワゴワする
- 髪がチリチリになる
- 髪が傷んだように硬くなる
といった変化が起こり、とてもじゃないけど状態の良い髪とは言えない状態に。
質感は損なわないとは言え効果がなしなのも失敗です。
良くも悪くも変化がまったく起こらない・感じないという人もいます。
酸熱トリートメントで失敗しないためには
酸性トリートメントで失敗されると、
- 施術にかかった2時間が無駄になる
- 直してくれる美容師を探す手間がかかる
- 直すまでの間、状態の悪い髪で過ごさなくてはいけない
といった無駄な手間・ストレスがかかってしまいます。
失敗状況によってはもう直せない…なんてこともあり得るので、初めから知識と経験が豊富な美容師をしっかり選ぶことが大切です。
家から近い・値段が安いといった理由で選ぶと失敗されるリスクが付いてまわるので要注意。
本当に知識がある美容師・美容室は、SNS上で情報発信をしていたり施術のビフォーアフターを掲載している確率が高いので、これらを基準に探してみてはいかがでしょうか。
「良い美容師・美容室の探し方」についてまとめた記事も一緒に見てみてくださいね!
酸熱トリートメントを失敗されたら
酸熱トリートメントを失敗されると、髪が硬くゴワゴワになるので元の状態に戻す必要があります。
失敗され状態が悪くなった髪を元に戻したいとき、
どちらかの選択する・もしくは両方することがおすすめです。
酵素トリートメントをする
酸熱トリートメントで失敗され硬くなった髪には酵素トリートメントがおすすめです。
酸熱トリートメントの失敗によって、髪が硬くなった・ゴワゴワになった人にぴったり!
過収斂により硬くなった髪を一度の施術で元の状態まで戻し、扱いやすさを取り戻すことができます。
プロに相談する
酵素トリートメントをすることでひとまず質感を取り戻すことができますが、
- なぜ髪質が硬くなったのか理論を理解している
- 失敗によるすべての現象に対応できる技術・知識を持っている
美容師による施術でないと、対応が不十分になる可能性もあります。
酵素トリートメントをメニューに取り入れていない美容室も多いので、それ以外の解決策を持っていないと直せないなんてことも…。
もし酸熱トリートメントの失敗で悩んでいて「なんとかして直したい!」と考えているなら、SENJYUプロフェッショナルチームに任せることをおすすめします!
知識・経験数が豊富で、失敗によって起こる現象すべてに対応できるメニューを揃えているので安心して任せられますよ。
まとめ
一般的なトリートメントとは違い、化学反応によって髪をきれいに整える酸熱トリートメント。
ただ保湿成分を塗り重ねるだけ…といった単純な作業ではないため、難易度が高く扱いにくいメニューなんです。
だから酸熱トリートメントを失敗される可能性は誰にでもあります。
酸熱トリートメントの失敗に対する対処法は存在しますが、そもそも失敗しないことがベストです。
初めから知識豊富な美容師の元へ行くことが、酸熱トリートメントを成功させるための安全な道!
もし万が一酸熱トリートメントで失敗されたら、酵素トリートメントの施術を受けるか、酸熱トリートメントのプロに相談することをおすすめします。
ぜひ参考にしてくださいね。