酸熱トリートメントをした友人の髪がサラサラになってた!
私も興味あるんやけどできるんかな?
酸熱トリートメントは、向いている人・向いていない人がはっきり分かれます。
きっしーの髪質や悩みが酸熱トリートメントに向いているのか一緒に見ていきましょう。
酸熱トリートメントは、髪内部を強くし失われたハリコシを取り戻すことができる画期的なメニュー。
ところが絶大な効果を持つ反面で、
- 扱いが難しい
- 失敗のリスクがある
- 合う・合わないがはっきり分かれる
といったデメリットを抱えています。
本記事では現役美容師の「橋口美月」が、酸熱トリートメントが向いている人・向いていない人について解説しました。
向いていない人が酸熱トリートメントをすると、まったく変化が起こらないか余計に髪が扱いづらくなってしまう恐れあり!
「酸熱トリートメントをやってみたいけど、自分はどっちなんだろう?」と疑問に感じている人はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
橋口美月
美容師歴6年のスタイリスト美容師。お客様の疑問や悩みにプロ目線でわかりやすく解説します。
きっしー
髪に悩みを抱えるアラサー関西人。みんなが気になっていることをズバっと質問します。
酸熱トリートメントに向いている人・向いていない人
酸熱トリートメントに向いている人・向いていない人の特徴をまとめました。
向いている人
- 細毛軟毛・猫っ毛
- エイジング毛
- ハイダメージ毛
向いていない人
- 硬毛
- 健康毛
それぞれの理由や特徴を解説していきます!
向いている人
酸熱トリートメントに向いている人は
- 細毛軟毛・猫っ毛
- エイジング毛
- ハイダメージ毛
といった髪質の人。
それぞれの髪質の共通点は、髪にハリコシがなくクタッとしていること。
酸熱トリートメントは、髪の中に髪を支える柱を増やして髪のハリコシを増すための技術。
元々フニャッとしやすい髪質の人ほど、ハリコシが増すことによる効果・生活変化を実感しやすいので向いていると言えます。
細毛軟毛・猫っ毛
髪が細くやわらかい猫っ毛と呼ばれる人は、酸熱トリートメントに向いています。
細毛軟毛・猫っ毛の人の特徴は以下の通り。
- 分け目がペタッとしている
- 髪のボリュームがない
- 髪に結んだ跡が付きやすい
- 髪表面はマットな質感(艶が少ない)
- コテカールが付きやすい
これらの特徴を持っている人は、細毛軟毛・猫っ毛である可能性が高いです。
メリットはやわらかくふんわりした質感で毛量に悩むことが少ないこと。デメリットは、髪のボリュームが表現しづらく、寂しい印象になりやすいこと。
エイジング毛
加齢による変化で髪内部の水分バランスが崩れもろくなった髪をエイジング毛と言います。
このような髪質も、酸熱トリートメントの効果が発揮されやすいため施術に最適です。
エイジング毛の人の特徴は以下の通り。
- 白髪になっている
- 髪が乾燥しやすい
- 髪表面にパサパサと目立つ髪がある
- 保湿してもしっとりしにくい
- 20代の頃と比べると髪が細くなった
- うねりの強い髪が生えてくる
- 艶が出なくなった
- 毛がザラザラする
大人女性の悩みの種である白髪も、エイジングの影響をモロに受けた髪。
エイジング現象の起こった髪は、生えたてホヤホヤの時点から髪の中がスカスカで既に髪が弱った状態。
酸熱トリートメントを用いることで、髪の中を満たし芯のある強い髪に戻すことが可能です。
ハイダメージ毛
ブリーチ・縮毛矯正・アイロンによる熱ダメージなどを受けると、キューティクルが剥がれ落ちたりたんぱく質が変質してしまいます。
このようなダメージを受け続けると、
- 髪の結合が切れて弱くなる
- 水分や油分が垂れ流し
といった状態になり髪がへなちょこに…。
濡らすと、味噌汁に入れたとろろ昆布のようにトロンとしてしまう髪は、髪の中がスカスカでハリコシのない状態。
このような髪は、ハリコシを増す酸熱トリートメントの効果と相性がバッチリなので向いているでしょう。
向いていない人
酸熱トリートメントに向いていない人は
- 硬毛
- 健康毛
といった髪質の人。
それぞれの髪質の共通点は、元々髪にハリコシがあること。
酸熱トリートメントの目的は、ダメージによって失われた成分の代わりに髪を支える柱を入れて、傷む前の元気な状態に近づけること。
元から髪が健康な状態で中身が満たされている人にとっては、ほとんど効果が実感できないか髪が補強されすぎて硬くなるといったデメリットが考えられます。
硬毛
髪にハリコシがある硬毛の人の場合、酸熱トリートメントは向いていません。
硬毛の人の特徴は以下の通り。
- 髪に艶がある
- 髪を結んでも跡が付きづらい
- コテカールが付きづらい
髪内部のたんぱく質が軟毛の人よりたっぷり入っていたり、髪表面のキューティクルが何層にも重なっていると髪が硬くなり硬毛に分類されます。
簡単にできる確認方法を紹介!指に毛先を巻き付け10秒ほどおいてから外したときに跡が残っていたら軟毛、ほぼ真っ直ぐだったら硬毛です。
このような髪質の人はむしろ髪が硬いことに悩んでいることも。
髪をきれいにしたいからといって硬毛の人が酸熱トリートメントの施術を受けると、何も変化を感じないか元の状態よりも硬くなる可能性が高いです。
硬毛の人は、髪を柔らかくする酵素トリートメントの方が向いているかも!
健康毛
カラーやパーマなど薬剤を用いた施術をしていない人は健康毛に分類されます。
健康毛の人は酸熱トリートメントは向いていません。
本来ダメージを負っている人のためのメニューと言える酸熱トリートメント。
ノーダメージの健康毛の人にはほぼ効果を発揮することができません。
健康毛でもアイロンとかブラッシングで受けるダメージもあるやん?
あれはダメージ毛って扱いにならへんの?
確かにダメージなんですけど、ダメージのジャンルが少し違うんです。
酸熱トリートメントには髪内部に髪を支える成分を入れる他に、ダメージでアルカリ性に偏った髪を弱酸性に戻す効果*もあります。
*酸熱トリートメントは酸性の性質を持っているから
カラーなどのケミカルダメージを受けた髪ならアルカリ性に偏りますが、摩擦などの物理的なダメージの場合傷んでもほとんどアルカリ性には偏りません。
そのため酸性の酸熱トリートメントを塗布すると髪が必要以上に酸性に偏り、質感を損なうリスクが高まります。
物理ダメージなら酸性に偏る酸熱トリートメントより、保湿重視な酵素トリートメント・システムトリートメントがベスト!
酸熱トリートメントの仕組み
酸熱トリートメントのはたらきを大きく分けて2つ。
- アルカリ性に偏った髪を弱酸性に戻す
- 髪内部に髪を支える柱を入れてハリコシを取り戻す
それぞれ詳しく解説していきます。
髪は弱酸性の性質であるのに対し、カラーや縮毛矯正に使われる薬はアルカリ性。
繰り返しアルカリ性の薬剤を乗せることで、髪が弱酸性→アルカリ性に偏ります。
アルカリ性に偏ったら何か問題なん?
アルカリに偏ると、キューティクルが開いてしまうので水分も油分も抜け放題。
髪がもろくなり傷みやすくなるんです。
アルカリ性に偏った髪はダメージに弱くなる傾向にあるため、弱酸性の状態でに戻さなくてはいけません。
酸性の性質を持った酸熱トリートメントは、ダメージによってアルカリ性に偏った髪を弱酸性に戻し、刺激に負けない強い髪へと導きます。
また髪内部に入り込んだ酸熱トリートメントの成分が、髪を支えるシスチン結合の代わりとなるため、スカスカの髪を補修し芯のあるピンとした髪に近づけるはたらきも。
以上の2つのはたらきにより、酸熱トリートメントをするとフニャッとした頼りない髪をコシのある健康な髪に近づけることができるんです。
酸熱トリートメントに向いていない人におすすめメニュー
私の髪はタワシのような剛毛やし酸熱トリートメントは向いてないみたい。
今より髪をきれいにしたかってんけど残念やわ…。
安心して!
酸熱トリートメントが向いていない人には、別のおすすめメニューがあるよ。
酸熱トリートメントが向いていないからといって、髪をきれいにする方法が他にない訳ではありません。
髪質や悩み別に、髪を扱いやすくきれいに整えるメニューを4つ選んでみました。
酵素トリートメント
酵素トリートメントは、髪の中のたんぱく質をほぐすことでやわらかさ・しなやかさを得られるメニュー。
酸熱トリートメントと比べると、デメリットが少なく安心して取り入れることができます。
硬毛・毛量が多い人・髪質がしっかりしている人など、特に髪が硬いことに悩んでいる人にピッタリ!
イメージとしてはシステムトリートメントのワンランク上の位置付け。最上級クラスのトリートメントといった感じ。
一度の施術で見た目の変化がわかりやすいので髪がきれいになった実感が湧きやすく、ハマっちゃう人が続出しています(笑)
髪質改善
髪質改善は、ほとんどダメージを与えることなくナチュラルなまとまりある髪にするメニュー。
ふわパサ〜っとした膨らむくせに悩んでいる人にピッタリ!
縮毛矯正とは何が違うん?
縮毛矯正との違いは、
- 髪質によって向き・不向きがあること
- ダメージがほとんどないこと
- 真っ直ぐなりすぎないこと
縮毛矯正はくせに悩んでいる人なら誰にでも施術できますが、髪質改善はうねりが強い・くせをしっかり取りたい・健康毛の人には施術できません。
酸熱トリートメント同様、髪質改善も向いている人・向いていない人があるため、プロの美容師に相談してから施術するようしてくださいね。
髪質が条件に合っていて、
- 縮毛矯正をあてるほどではないけどまとまらないことが悩み
- まっすぐになりすぎるのは嫌
- 健康毛のようなとぅるとぅる髪になりたい
といった人は縮毛矯正よりダメージの少ない髪質改善がおすすめです。
縮毛矯正
縮毛矯正は、髪の中の結合をまっすぐに整えてくせのないストレート状態にするメニュー。
うねりの強いくせに悩んでいる・健康毛の人にピッタリ!
でもめっちゃ傷むんやろ?
少なからずダメージは負うけど、正しい知識を持っている美容師にしてもらうならほとんど傷みを感じないよ!
縮毛矯正も酸熱トリートメントと同じく扱いが難しいメニューなため、知識が浅い美容師による施術だとハイダメージを負ってしまいます。
しかし、知識と経験がある美容師ならお客様の髪質に合わせて薬剤のパワーをコントロールできるので、ダメージを感じさせない仕上がりに導くことが可能です。
例えば毎日アイロンをする人の場合、
- 160度くらいの低温でアイロンする
- 半年に一度縮毛矯正を当てる
ならどっちの方が髪に負担が少ないと思いますか?
正解は「半年に一度縮毛矯正を当てる」
アイロンの場合、低温であっても使うたびに熱によるダメージが蓄積され、同時にプレートに挟まれる摩擦での刺激も加わります。
縮毛矯正なら薬剤による負担は年に2回だけで済むので比較的ダメージが軽くて済むんです。
ダメージレス縮毛矯正は、年間800人の縮毛矯正を担当しているSENJYUにご相談ください!
システムトリートメント
システムトリートメントは、ごく一般的な美容室のトリートメントメニューのこと。
保湿性の高いトリートメント剤を数種類重ね、うるおいのあるパサつき知らずの状態に整えます。
オールマイティに合うトリートメントだけど、特に健康毛の人におすすめ。
髪にほとんど悩みがない健康毛の人は、他のメニューだと効果が過剰に現れすぎるので向かないなど選択肢が狭まりがち。
システムトリートメントなら良くも悪くも髪を保湿するだけなので、他のメニューにあるようなリスクもなく比較的取り入れやすいでしょう。
元から傷みが少ないからこそ、保湿するだけで状態もかなりよくなります。
酸熱トリートメントのよくある質問
Q.酸熱トリートメントはどれくらいの頻度で行うの? |
髪の状態にもよりますが、1ヶ月〜2ヶ月に1度のペースで行います。1ヶ月以内に2回行うとかえって髪質が悪くなるリスクがあるので注意。 |
Q.費用はいくらですか? |
美容室によって違いますが、数千円〜3万円ほど。1万円前後の店舗が多い傾向です。 |
Q.酸熱トリートメントはやめた方がいいと聞いたことがあります。本当? |
いいえ。酸熱トリートメントは正しく扱えば絶大な効果を得られる素晴らしいメニューです。ところが取り扱いが難しいメニューなので失敗率が高く、失敗された人が酸熱トリートメントを誤解したためにこのような噂が広がったのだと考えられます。 |
まとめ
酸熱トリートメントに向いている人は、
- 細毛軟毛・猫っ毛
- エイジング毛
- ハイダメージ毛
といった、髪にハリコシがなくフニャッとした髪質の人です。
このような髪質の人は、酸熱トリートメントの持つスカスカの髪を補修し芯のあるピンとした髪に近づけるはたらきによる効果を実感しやすく、回数を重ねれば重ねるほど「髪が扱いやすくなった」と感じるでしょう。
酸熱トリートメントは扱いが難しいリスクを抱えていますが、同時に絶大な効果を発揮できるメニューです。
正しい知識を持ったプロの美容師のもとで、酸熱トリートメントの素晴らしい効果を得てくださいね。